拝金 堀江貴文

堀江貴文、ホリエモンはかつで時代を騒がせた起業家で誰もが知っている人ですが、
本を書くのが好きらしく結構いろいろな本を出しています。
2006年、ライブドア本社やホリエモンの自宅が家宅捜索される
2006年1月13日。ホリエモン逮捕。
2007年3月16日。懲役2年6ヶ月の実刑判決がでる。
2008年7月25日。東京高裁で控訴を棄却
2011年4月26日。最高裁は上告を棄却。実刑判決が確定。
2011年6月20日。ホリエモン、東京拘置所に収監
2013年3月27日。長野刑務所から仮釈放
2013年11月10日。刑期満了
裁判から実刑判決、そして刑務所での刑期満了まで、8年もかかっている。
その時間的長さに戦慄を覚える。
一度大きな裁判になると、その人が有罪だろうが、無罪だろうが人生にとっては大きなロスになる。
国家権力の恐ろしさがここにある。
それはさておいて、「拝金」はホリエモンがまだ係争中の2010年6月30日に書かれた本です。
これは、オンザエッジを立ち上げ、ライブドアなど次々に買収して会社を拡大、株式上場、近鉄バッファローズ買収劇、ニッポン放送買収劇などホリエモン黄金時代の一連の出来事を、登場人物や会社名を変え、より物語風にストーリーを再構成して書かれたフィクションです。
ただ、ホリエモンの実体験が元になっているので、ノンフィクション的な色合いもあります。
山崎豊子の小説のもっと大衆版、自著版みたいなものでしょうか。
本で語られているメッセージとして、タイトルどうり拝金がある。
ホリエモンは言う。
「お金がないときはやれることに限界があるけれど、お金があればやれることがどんどん広がる。
つまり、お金を持てば持つほど、お金から解き放たれて自由に発送できるようになる。
もっといえば、あらゆる欲望、金、女、酒、美食、何でもいいけど、徹底的に浸りきり、
欲にまみれればまみれるほど、ある瞬間、その欲の世界を突き抜ける、そんな感覚になっていく」
このことをホリエモンは表現し、伝えたかったらしい。
自分には欲がない。そんなことを言うやつほど欲深い。
とホリエモンはバッサリと切る。
確かに、自分には手に入らないと、諦めているだけなのかもしれない。
本心を押さえつけて、自分にはそんなものはないと言い聞かせ、負け惜しみを言っているだけなのかもしれない。
シンプルに生きることができない敗者なのかもしれない。
絶世の美女が目の前にいて、手に入れたくないという男はいないだろう。
性欲という欲すらなくなってしまったら、それはもはや人間失格だ。
だけど、必ずしもそんな欲に純粋に従って、生きて徹底的に溺れた後でしか、
突き抜けることができないというのも、なんだか違うような気がします。
いくつか面白いことが書いてありました。
起業はやり方さえ知っていれば難しいものではないということ。
年商1000万円クラスが義務教育レベル。
年商1億円は有名進学校の受験をクリアする難易度。
年商10億円規模なら一流大学に合格するくらいの力が必要とのこと。
企業自体はそれほど難しくないけれど、
それなりに会社を大きくしようとすればそれなりの実力が必要だということのようです。
ITバブルの時代にはヒルズ社交界にも序列があったそうです。
クラス1;アイドルや若手俳優
クラス2;上場企業の創業者
クラス3;上場していないけど年商10億前後の会社オーナー、外資系ファンドマネージャー
      資産化ジュニア、大物政治家の息子、地方の有力企業の創業者一族など
クラス4;業界系。テレビ局、大手商社、広告代理店の社員など一般的な勝ち組。
クラス5;タレントや俳優の卵。無名ミュージシャン。裕福な一流大学生など。
こういうのって、今でもあるんでしょうかね。
起業して大金をつかんで、欲にまみれた華やかな生活をする。
ドラマチックでそれはそれで魅力的な人生だと思います。
でも、僕の目指したい世界とは違うかな。
いずれにせよ、この本はホリエモンの半生を追体験できる、それなりに面白い本です。

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