ティール組織 マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現   フレデリック・ラルー

新しい組織を作ろうとしている。

そこでの規範、ルール、文化はどういったものを目指せば良いか?

漠然と正しそうだといういくつかの方法はある。

僕が自分の社会人人生で培ったものだ。

でも、それらは点が散らばっているようなもので、漠としている。

だから本書を手にとったのだと思う。

なにか参考にならないか。

新しい経営の方法がないか。

人がもっと活き活きと、自由に、情熱を持って働ける仕組みはないか。

現在、発明されている組織体系で最も進んでいるのが、どうやらティール組織というものらしい。

その概念は僕にとって全く新しいものであった。

僕は本書でいうオレンジ組織に生きていた。

そこでの葛藤、怒り、不満、その解決策として自分が想像できた答えグリーンの世界だった。

だから、僕はできるだけグリーンな世界観で自分の会社を彩ろうとした。

しかし、グリーン組織はまだ途中であると本書はいう。

その先にティールがある。

人類のパラダイム

①無色

血縁関係中心の小集団。10人程度。「自己と他者」「自己と環境」という区別すらない。

②マゼンタ 神秘的

数百人の人々で構成される部族。自己と他者を区別できるが、世界の中心は自分。

物事の因果関係への理解が不十分で神秘的。

③レッド 衝動型

組織生活の最初の形態。数万人の規模になることも。力、恐怖による支配。マフィアやギャング。自他の区分、単純な因果関係の理解により分業が成立。

④アンバー 順応型

時間の流れによる因果関係を理解し、計画が可能に。規則、規律、規範による階層構造の誕生。協会や軍隊。

⑤オレンジ 達成型

「命令と統制」から「予測と統制」。実力主義の誕生。効率的で複雑的な階層組織。多国籍企業。

⑥グリーン 多元型

多様性と平等と文化を重視するコミュニティ型組織。ボトムアップの意思決定。多数のステークホルダー。

⑦ティール 進化型

生命体型組織。自主経営、全体性、存在目的を重視。

ティール組織には特徴がある。

それが上記にもある3つの要素である。

1.自主経営 セルフマネジメント

意思決定は誰でもやっていい。本当に誰でも。誰も誰かを強制できない。

誰も誰かの意思決定をストップできない。

ただし、影響が及ぶ人と相談する助言プロセスは求められる。

これによるメリットは、マネジャーがいなくなること。スタッフ(コーポレート)機能が必要なくなること。ミーティングも必要なくなること。

これによる組織運営の効率は計り知れないと思う。

たいてい、旧式の組織に所属して怒りを覚えたのはこの3つだった。

そこにあるのは性善説であり、信頼である。

誰でも何を買ってもいいというのは、旧式の組織に所属していたら考えられないことである。

どんなに信じるとしても、さすがに訪問販売に騙されるような人はこの組織に入っちゃいけないのではと思う。。。だから、ティール組織には誰でもが入れるわけではないと思う。

2.全体性 ホールネス

嘘偽りの無い、仮面をかぶらない自分として、組織に所属すること。

組織に所属して活動することは自分の人生でもある。

そうなって始めて人は情熱を傾けられる。

都会の会社は、たしかに素の自分ではいられなかった。

でも、田舎はそうでも無いと思う。田舎では職場とプライベートがあまりにも近い。そこが田舎のいいところかもしれない。

3.存在目的

組織も存在目的を持っている。

組織の存在目的に従って意思決定をする。

なんならミーティングに空席を設ける。そこは組織が座って意見を述べる席だ。

ティール組織を営むにもテクニックが必要。

まず、ティール組織は現代において一般的ではない。

だから所属する人もその考え方をすぐには理解できないし、実践することにはトレーニングが必要。

セルフマネジメントに関する3つの慣行

1.助言プロセス

人の意見を聞かずに意思決定して、行動しても上手く行かない。だから、助言は貰う必要がある。

2.紛争解決メカニズム

人と人の意見が対立したとき、しっかり問題解決ができるルールは必要。判決を出してくれる上司はいないから。

3.同僚間の話し合いに基づく評価と給与決定プロセス

ホールネスに関する4つの慣行

1.安全な空間をつくるための基本ルール

2.オフィスまたは工場

が素の自分でいられるような環境にする。

3.オンボーディング・プロセス(新入社員研修)

4.ミーティングで実践すべき慣行

意思決定プロセスがあってもいい

存在目的に関する2つの慣行

1.採用

2.「だれも座らない椅子」ミーティング

読んでみて、ティール組織の必要性を強く感じた。

人は、自由で幸せになってもいいはず。

それを阻害しているのが今世の中にはびこっている組織であることは間違いない。

僕が所属していたオレンジ組織も、みんな不満で、不幸そうだった。

満足そうにしている人は思考停止に陥っていた人達だけだ。

我慢することが組織人の正しいありかたであろうはずもない。

それをする必要のない世界があれば、それに越したことはない。

そうした組織を作ろう。

というか、そのために僕はオレンジ組織を抜け出したのだ。

僕一人で生きていくなら組織はいらない。

でも、僕が組織を持ち、運営していく立場になる以上、ティールは避けて通れない。

とは言うものの、それを目指すとしたらエゴを捨てなければならない。

僕が仮にエゴを捨てられたとしても、周りの経営陣はそうとは限らない。

みなが足並み揃えるのは難しいことだ。

僕が声高らかにティールと叫んでも理想論と突っぱねられるだろう。

とりあえず、グリーンかな。。。

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