著者1983年生まれ。ゲイ?
本作は処女作。
堕落することに憧れる女子大生と、ゲイの男の物語。
女子大生とゲイは、心のどこかで惹かれあっている。ただ、それがどういった感情なのかはわからない。人として愛している。性的対象としてではなく。
おそらくそれは、女子大生とゲイがそれぞれどこか不完全で、歪で、似たところがあったから。
それで繋がりたいと思った。
でもそのままでは繋がれない。性的欲求はないから。
だからお互いが指名しているホストを真ん中(車軸)に据えて3Pすることにした。
女子大生は、堕落に憧れる。
ホストに通って、実家の金を浪費する。
しかしそれは、本当の堕落ではなかった。
他人の金を使ってしているそれは、偽物だった。
最後、女子大生は、親からもらったカードを捨て、風俗に堕ちる。
それで完成する。
ゲイは変わっていなかった。
何者にもなれず、その一歩も踏み出せず、不完全なゲイのままだった。
だから泣いた。
離れて違うステージにいく女子大生と、
変わらない自分の対比に焦り、不安になり、泣いた。
多分こんな感じのストーリー。
正直、全く共感するところがなかった。
この小説を読んで感動する人がいるのだろうか。
まじでよくわからない。
僕とは世界が違いすぎるのかもしれない。
いや、僕も同じ世界にいたことはある。
だから本の描写から、彼らのいる空間がありありと想像できる。
でも、同じ世界にいながらも、ここに出てくる登場人物たちとは精神世界が違いすぎる。
いうならば、女子大生と、ゲイの間にいるホストだ。
多分、ホストは、その2人のことを大切にし、ケアし、同じ時間を過ごしているけど、
全く彼らの人生に共感していない。
ただ、仕事として一緒に時間を過ごしているだけの客であり、他人であった。
この本は友人に勧められた。
映画化するらしい。
友人には申し訳ないけど成功すると思えない。。。
どこか突き抜けたい。
道を外してしまいたい。
そういう渇望を持つ者にとっては、何か響くものがあるのかもしれない。