上位20%に入れる人だけが一生成功する 横山信治(yokoyama nobuharu) 

これは、簡単に言えば自己啓発本である。
30程度の教訓がほんの1から2ページで成功するための法則として羅列してある。
その内容は「七つの習慣」スティーブン・R・コヴィー著のような余りにも有名な著書のエッセンスをパクッて偉そうに書いているだけである。何も目新しいものはない。
この本のいいところはそういう、成功のエッセンスを大きな文字で、わかりやすく
半ば居眠りしながらでも気軽に読めるということだろうか。
どうして、こんな本を手にとって、しかも買ってしまったのか。
それを考えるのはちょっと興味深い。
そのとき僕は仕事に行き詰っていて、解決策を藁にもすがる気持ちで探していて、
そして上位20%というキャッチーなコピーに惹かれたわけだ。
この本の素晴らしいところは唯一つに尽きる。
「上位20%に入れる人だけが一生成功する」
というネーミング。以上。
このマーケティングセンスが素晴らしい。
なんとなく、僕は駄目だけど、頑張れば上位20%くらいには入れるかもしれない。
20%に入れれば一生成功するのだろうか。
どんなことが書いてあるのか読んでみよう。
そう思わされてしまったわけだ。
まさに著者の思惑にまんまドンぴしゃり引っ掛かったわけ。
確かにヒトは上位20%に入れれば、人並みの成功は得られるだろう。
サラリーマンの競争なんてのは考えてみれば温いものだ。
スポーツのように勝つか負けるか、日々勝負とは違う。
それもそのはず、みんながみんなお金を稼いで生きているんだもの。
そんな普通の人生が大変なことだったら、だれもこの世の中で生きていけないだろう。
だけど、本当に20%に入ることは容易だろうか。
逆に言えば、ものすごい数の人たちが、人生を掛けて、ロングマラソンのこの勝負をしていることになる。
淡々と、日々の成果を出し続け、他の4人に負けないように5人の中の1人にしっかりとランクインしていくことは、
実はそんなに簡単ではないのではないかと思う。
少なくとも、日々、自立と自制の生活を送り、欲望や惰性に流されることなく、
立派な人格を身につけ、努力を継続することが必要だろう。
それはサラリーマンだろうが、フリーランスだろうが、起業家だろうが同じだ。
20%に入ることは努力しだいでできる。
それはそうだろう。
しかし、何十年もそうした継続的努力を続け、習慣化し、それなりの人格を身につけるのは容易ではない。
人間の一生とはなんと複雑になってしまったものだろうか。
やらなければならないことは、結局のところたくさんあるのだ。
この本の著書は横山信治
SBIモーゲージ取締役執行役員常務。
1982年、日本信販(現三菱UFJニコス)に入社。No.1営業マン。
2001年、SBIモーゲージ設立参加。
4名の会社を10年で従業員250人、店舗数180、融資残高2兆円に成長させたらしい。
2万人のビジネスパーソンと接し、3000人以上の採用面接に立ち会ったことがこのヒトのバリューらしい。
今年3月末には取締役は退任して、自分の会社を立ち上げているとのこと。
役員やってて、こういう執筆とか講演活動とか好きにやってて、さぞかし人生楽しいに違いない。
子供のころ落語界に入っていて、笑福亭 手遊の名前で笑福亭 鶴瓶の兄弟子だったそうな。

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