国税局査察部24時 上田二郎

国税局査察部、通称マルサの組織を元職員が紹介した本。

マルサは守秘義務が徹底しており、内部の事情を紹介することは禁止されている。

筆者はある意味タブーを犯したわけだが、あまり詳しいところまで話さないように気を使っている。
出版も5年間待ったそうだ。
なので、内容もあまり踏み込んでいなかったり、時代錯誤的に古い内容だったりするところがある。

それでも、本書を読んでわかったことがある。
税務署は任意調査なので、そこまで踏み込んで納税者を取り締まらない。
あまりに重大な悪さをしていなければ、刑事告発される前に、追加納税して解決することができる。

一旦、マルサに目をつけられると、刑事告発されて罰金を課される上に、刑事罰も受ける可能性がたかい。
マルサは秘密裏に調査をしている。調査していることもバレないように慎重に行動している。
本当に張り込みや尾行といったことをしている。
強制調査の令状を得る前に調査をする部隊が半数いる。
じっくり調査した上で脱税であることの確証を得たら実施班と議論し、合意したら令状をとって強制調査をする。
強制調査をするのは実施班の仕事である。

しかし、全体の数では東京でも500人程度と、そこまで大きな組織ではない。

調査はITなどを駆使している部分も増えているが、多くは旧態然とした体力任せの方法を取っていると思われる。

1チーム(4人体制ほど)の目標は一年に1件の立件をすること。
年に3件も行えばかなりのエリートチームと認定される。
そんなチームの数はせいぜい20から30程度。年間50件程度しか挙がっていないことになる。
これは脱税者を牽制する目的に照らしてかなり少ないように思える。
もちろん、これ以上にたくさんの税務署の追徴課税があるだろうけど、そっちは追加で税金を払えばいいので、
真の悪質な脱税者には怖くないだろう。

特に、地域にまたがる調査は苦手。尾行とかがしにくくなるから。
海外が関係してくるとさらに苦手。
新しい技術やテクノロジーも勉強するのた大変なので苦手。

この分野こそ、イノベーションを起こそうと思えばすごくたくさんアイデアが出てきて、
効率よく調査ができるようになりそうなものだけど、
そこまで大きな組織でもないし、役所だし、なかなか難しいんだろうね。

税金というのは不平等なシステムです。
複雑でわかりにくい上、学校でも教えてくれないのに自己申告。
そもそも社会の根幹に関わることなのになぜ学校でまともに教えないのか?まったく理解不能。
見返りが直接でも間接でも帰ってくればまだ意欲も湧くかもしれないけど、
正直者が馬鹿をみてしまうシステム。
これがうまくいっているのは、大企業とサラリーマンのおかげでしかない。

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