何も持っていないのは、ある意味強いことだと思う。
っていうのは言い訳だよね。
フリーター薫さんは、フリーター。
苦情対応サポートセンターのオペレータの派遣社員をやっていて、
気が付いたら、精神的にやられて鬱になってて、
会社を辞めざるを得なくなり、
引きこもりに。
そこから、少しずつ社会復帰しようと頑張って、
コンビニのバイトやら、ネットカフェのバイトやらをしてる。
そんな超ド底辺の下流生活を、そこから見える世界を、
ユーモラスに、自虐的に描いた本。
この人は、色々負けて、底へ底へ底へ沈んで行ってるけど、
それでも死んでない。
なんか、良い人なんだな、と思う。
良い人すぎて、沈んでしまうのかもしれない。
この人は、どう考えても、どう見ても貧困層で、
そんな人はきっとフリーター薫さんだけでなくて、
そう思うと月並みだけどやっぱり日本って貧富の差が拡大してるんだな。
しかし、ここ数年、そこまで貧乏に落ち込んだことがないから、
水道光熱費払えないとか、
出前とりたくても取れないとか、
庶民レベルの贅沢を我慢した記憶なんてとっくの昔に失くしてしまった。
金を持ってても別に必要ないから買わないのと、
買いたくても金が無いので買えないのと、
同じ買わないでも、精神的なダメージって全然違うんだろうなあ。
いつでも買える、そういう立場だから消せる煩悩みたいなものがある気がする。
持たざるもの。
どうして僕はこんな本を手に取るのか。
なんだかんだいつでも恐れているから。
そっちに転んでも大丈夫だよね?いつでも確認したい自分がいるから。
かつての僕はてんでへっちゃらだった。
でも、最近そういう世界から遠くなりすぎちゃって、今更戻れるのか不安がある。
静かに、日にあたることもなく、陰で生きている下流の人達がいる。
だからって、その人たちが背中を丸めてコソコソ生きなきゃいけない理由は無い。
その人たちが別に他人より劣っているわけでもない。
しかし、なんなんだろうね。
この閉塞感みたいなものは。
それは日本社会が静かにまき散らしている、いわゆる「空気」ってものなのかな。
金が無いから辛いんじゃないな。
その「空気」が人を苦しめて、卑屈にするんだ。
下流人間だって、胸を張って堂々と生きれば良いと思う。
【中古】どうしてボクには仕事がないんだろう—もう笑っちゃうしかない下流生活
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コメント
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どの立場でも考え方次第で
気持ちが楽になりますね。
死だけがこの世で約束されていると
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ソウルフラワーモノノケサミットさん
おっしゃるとおりと思います。
全ては考え方次第ですね。
たとえ牢屋にいても自由な人がいます。
王様でも死ぬほど不自由な人がいます。
ひろ