天才!成功する人々の法則 マルコム・グラッドウェル

天才は天才として生まれてきたのか。
否!
天才の常識。成功者(OUTLIERS)の常識に一石を投じようとするのが本書の目的。
マルコム・グラッドウェルは1963年イギリス生まれ。
米国誌「ニューヨーカー」のエースライターとして世界中にファンを持つ。
これまで「The Tipping Point」や「Blink」など、発表した著作は少ないながらもすべてベストセラーらしい。
この本で言いたいことは二つだ。
1.天才は好機によって作られる
2.人は文化による強い影響を受けている
この二つを、いくつもいくつも面白い話題を取り挙げて帰納的に説明していく。
では成功する人はどうやって生まれたのか
1.「わずかなアドバンテージが将来を左右する」
たとえば、カナダのアイスホッケーのように1月1日で世代を区別すると早生まれの人が、
成長速度が速いので、活躍することができ、チャンスに恵まれる。
8月で区切るアメリカの大リーグは8月生まれの選手が多い。
2.「天才になるために必要なトレーニングの量は最低1万時間」
チャンスを与えられていても成功するためにやっぱり訓練が一万時間くらい必要。
これはすべての成功者がそのくらいの時間をかけて訓練をしているから。
ビートルズは売れる前の1960年、ドイツ ハンブルグのインドラというストリップ劇場で、毎日8時間のステージに立っていた。
1年半で270晩のステージ。64年にヒットするまでに約1200回もライブをこなしていたという。
3.「同じような好機に恵まれても、タイミング次第(これもまた好機)で成功するかどうか決まる」
例えば、コンピュータ・ビジネスで成功した、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズ、エリック・シュミットらは、
1955年前後の生まれに集中している。
サン・マイクロシステムズ社をつくったビル・ジョイは1954年生まれ。
歴史上の超大金持ち
一位 ジョン・D・ロックフェラー、スタンダード・オイル
二位 アンドルー・カーネギー、カーネギー鉄鋼
28位 フレデリック・ウェア―ハウザー、ウェアーハウザー・コーポレーション
33位 ジェイ・グールド、ユニオン・パシフィック鉄道
34位 マーシャル・フィールド、マーシャル・フィールド・アンド・カンパニー
35位 ジョージ・F・ベイカー、セントラル・レイルロード・オブ・ニュージャージー
(37位 ビル・ゲイツ、マイクロソフト)
57位 J・P・モルガン、ゼネラル・エレクトリック、U.S.スチール
その他もろもろ
上位75人の内、14人が19世紀半ばの10年間(1831~1841年)のうちに生まれたアメリカ人。
この人達は1860~1870年代、アメリカ経済が独立以来最大の転換期を迎えていた頃に、丁度良い年齢だった。
とんでもない成功者は時代が作る。
そればっかりは運だからどうしようもない。
でも、いつの時代でも現れるそこそこの成功者、これを決めるのも好機。
好機に恵まれるか、が人生の勝敗の大きな要因となっている。
それならば、
全ての人々に好機を与えるべきだ。できるだけ。
それがグラッドウェルの言いたいこと。
「自助努力」だけではどうしようもない領域がある。
子どもは親を選べない。
成功の連鎖。
逆に言えば、敗者の連鎖。
貧乏な家に生まれたら、天才の領域に達するに必要な1万時間に訓練が達する時間的余裕も、
いろいろなことにチャレンジする機会すら与えれない。
貧困の再生産。
これを如何に断ち切るか、
以下に平等に子供に機会を与えるか。
そこを日本は真剣に考えるべきである。
というのが翻訳者、勝間和代さんのまとめ。
全くその通り。
日本に生まれてラッキー♬
という人がいる。
グラッドウェルの理論に立てば、それは全くその通り。
その時点で、かなりの好機に恵まれている。
ただ、貧困層の家庭に生まれていなければ。

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