少し落ち着いた時間が取れたので、大学時代に読んだ本を引っ張り出してきてまた読んでみた。
内容なんてすっかり忘れていたけど、この本を手元に置いていたということは、
それなりに何か気になるところがあったんだと思う。
今読み返して思う。
思考の整理学の真髄は、アイデアの作り方に非常に似ている。
っていうか、「アイデアのヒント ジャック・フォスター」とほとんど同じやん。言いたいことは。
アイデアは自由に出してあげる。否定しない。取り敢えずだして、書き留めておいて、忘れる。
それで、忘れて暫く経つと、時の洗礼なのか、醸成なのかを経て、いい考え、アイデアはまた戻ってくる。
そのときには更にアイデアは膨らんで、広く、深く、または洗練されていることが多い。
なぜかはわからないが、頭はそういうふうにできているのである。
筆者が言いたいのはそういうこと。
そして、更にアイデアが出てくる場所として、筆者が重視している場所が3つ有る。
このタイミングを疎かにしてはいけない。
馬上、枕上(ちんじょう)、厠上(しじょう)
ようは電車に乗っている時、起きた時、うんこしている時はアイデアが出やすいのだ。
何かやっているけど自分自身は割と手持ち無沙汰な時がこれにあたる。
筆者、外山さんも創造性や、拡散性というキーワードを重視している。
それはコンピューターに負けないようにするにはどうすれば良いか、ということに通じる。
記憶して、それを引き出す。
もう人間がやる必要はない。コンピューターにこの部分は敵わない。
で、人間にしかできないことって何?それはアイデアを生み出すこと。
だから、本書はアイデアのヒントに似てくるわけだ。
でも、アイデアもコンピューターが人間より優れて生み出せるようになったら、どうするんだろう。
その時、人は動物にとりあえずは戻るのかもしれない。
コンピューターには人は作れない(少なくとも当面は)。でも、人には人を作ることができる、と。
さて、本書にはノートのとり方とか、カードの活用の仕方とかが紹介されている。
それを読むと涙ぐましい。涙なしには読めない。
昔の人は本当に大変な思いをして思考の整理をしてきたのだ。
今はEvernoteがある。OneNoteもある。
保存だけでなく、並べ替えも、検索も、書き換えも、容易だ。
筆者の外山さんはまだご健在だが、Evernoteは使っているのだろうか。
思考の整理学 (ちくま文庫) [ 外山滋比古 ]
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