香港で実現する究極の資産防衛 小池正一郎

一時期よりは下火になったのか?
いや、そうもいえないくらい日本から香港のHSBCやらStandard Chartered銀行やらに口座を開設に来る人は多いです。
むしろ、今は香港に口座を開設しにくる中国人がめちゃくちゃ多いです。
一定額の資産を持つ中国人が増えたのと、中国国内の経済を信用してない人が増えたのが原因でしょうか。
なぜかはわからないですが、もううんざりするくらい最近の銀行は中国人で溢れかえってます。
その中で、日本人は埋もれてしまっているだけなのかもしれません。
言葉も通用しないし、大して金を預けてもくれない日本人への銀行の待遇が適当になっていることは間違いありません。
そうした残念な日本人へのニッチなニーズに応えようとしているのが、Nippon Wealth Limitedなのかもしれません。
NWB – 公式ホームページ
口座開設とか口座管理、はたまた香港での投資などの相談に乗ることが僕も多いですが、
しかし、なぜ、どうして香港で口座を開設する必要があるのか、不勉強でした。
だって、日本の法律では、海外で上げた収益もきっちり納税することが義務付けられているわけです。
もし、こっそり持ってきた金を香港の銀行に預けて、それで投資収益を上げて、そんでそれを申告しなかったら、
それは単なる脱税です。
法律違反に加担したくありません。
では、税金のことを抜きにして、本当に香港に口座を開設して資産運用するメリットがあるんでしょうか。
僕はこの問いに答えることができないので、この本を手に取ってみました。なにが書いてあるのやら。
ちなみに著者の小池正一郎さんは、グローバルマーケット・アドバイザーとか名乗っています。
1946年新潟県関川村生まれ。いろいろ国内、海外の金融市場で経験を積んできた方。
本が発行されたのは2015年5月25日。とすると70歳くらい。精力的ですね。
「国内で販売されている外国籍のファンドは、ミラーファンドかベビーファンド、あるいはファンド・オブ・ファンズです。」
と小池氏は言います。
ミラーファンドとは、既成のファンドと同じ運用をするようにコピーされたもの。
追加コストがかかったり、タイムラグが発生するためオリジナルよりパフォーマンスが落ちることがデメリット。
ベビーファンドとは、本国市場で販売されているマザーファンドにぶら下がっているファンド。
マザーファンドの受益証券を組み込んで、日本の規制に合わせて設定されるもの。
マザーファンドよりも小規模の資金で運用されるため、これもコストが割高になるそうです。
ファンド・オブ・ファンズはファンドに投資するファンド。
運用者を分散して、運用者リスクの平準化や様々な投資スタイルからメリットを取れる利点はあるものの、
取り纏めの仲介者がいるため要らないコストがかかります。
本書では具体的に取りあげられていないため、何がはわかりませんが、
小池氏によると、日本は独自の金融規制によって、取引の自由度とコストが損なわれているそうです。
また、証券会社が売ることを目的に商品を作っているため、数年ごとに同じような商品ばかり販売している状況。
投資商品のバリエーションが少ないことも日本の外で、資産運用をすることの利点の一つとのこと。
では、世界にはいろんな国や場所がある中、どうして香港がベストといえるのか。小池氏の答えは以下。
1.世界の金融センター
Dow Jones, Sept 2013の第四回国際金融センター発展指数では、
1位ニューヨーク、2位ロンドン、3位香港、4位東京、5位シンガポール、6位上海 であるとのこと。
?東京が4位なら日本でもいいじゃんといいたくなりますが、スルーしましょ。
Wall Street Journal 2014の経済的自由度指数ランキング 2014では、
1位香港、2位シンガポール、3位オーストラリア、4位スイス、5位ニュージーランド、23位日本
2.アジアのビジネス拠点
その結果、外国資本受け入れ態勢、投資促進システムが成熟して世界中から大手金融機関や金融商品が集まっている。
3.世界中にアクセスしやすい立地
日本から4時間。
4.金融機関にとって進出しやすい環境が整備されている
結果、
・自由な金融活動が可能な環境を確保できる
・情報収集が容易
・投資機会が豊富
・有能な人材を集めやすい
・比較的軽税率である
ことが香港が良い理由とのこと。
個人的にも同感するのは、投資できる債権の種類が豊富であること。
日本では個人が投資できる債権は非常に限られているのが現状。
一方で、香港では比較的簡単に、しかも少額から債権に投資できます。
中国の大手銀行5行が発行する人民元建て社債は香港でしか手に入らないそうです。
ファンドハウス(運用会社)も香港は日本より種類が多いとのこと。
例として
GAM : スイス発祥。従業員150名。設立1983年
PIMCO:世界最大の債権ファンド。従業員737名。設立1971年。
Principal Globe Investment :ファンド買収のマルチ・ブティック。従業員450名、設立1941年
LEGG MASON:米国発祥。従業員360名、設立1899年
Invesco:従業員750名、設立1978年
First State Investment:オーストラリア発祥。従業員566名、設立1988年
Neuberger Berman :従業員450、設立1939年。
その他、
中国A株(国内投資家向け)が香港では買えること、
2000銘柄に及ぶETF(Exchange Traded Fund)、
数百種類のREIT、
投資対象としての生命保険(日本に住所を有する人は内閣総理大臣の認可が必要)
なんかも香港で口座を開くメリットとして挙げられています。
結論として、香港に口座を開設するメリットは、投資対象の選択肢が増えるから、の一言のよう。
逆に言えば、国内で大した投資経験もなく、その制約に疎かったり、他の選択肢の必要性を感じていなければ、
香港に口座を開設してもその運用の面倒臭さから、きっと持て余してしまうだろうと言えます。
ましてや口座が凍結されたり、設定が必要だったりして一度でも香港に渡航する必要が出てしまえば、
運用益が水の泡なんてことにもなりかねない。
手数料や取引コストを差し引いても日本で運用してたほうが良かったなんてことになりかねないです。
まず、資産運用してみたい、という人は、海外に口座を持とうなんてことを考えず、
国内でやったほうが良さそうですね。
なのに、香港に口座を開設しに来る人達が投資の初心者ばかりだったり、英語もまともにしゃべれないのはなぜか。
僕にはその理由も行動動機もよくわかりません。
何となく情報に流されて行動している情報弱者のような気がしないでもありません。
こういう人に限って結構、株とかFXで損したりしているのではないかと思います。

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