中国バブル経済はアメリカに勝つ アジア人どうし戦わず 副島隆彦

副島隆彦 (Soejima Takahiko)という人がいるらしい。
大ばか者とも天才とも言われている。
大ばか者と言われることのほうが多い。
猛烈な勢いで毎年書籍を出版している。
だいたい刺激的なタイトルで注目を集め、オカルト的な要素を盛り込んだ論を展開し、
読者の興味を誘うことを主に置いている。
彼自身はかなり猪突猛進なところがあり、激昂しやすいタイプの人らしいけどホントのところはどうか知らない。
ただの目立ちたがりかもしれない。
1953年5月1日福岡市生まれ。早稲田大学法学部卒業。
外資系銀行員、代々木ゼミナール講師、常葉学園大学教授などを歴任。
政治思想、法制度論、経済分析、社会時評など多くの分野で評論家として活動。
副島国家戦略研究所(SNSI)を主宰(???)し、日本初の民間人国家戦略家(???)として研究、執筆、
講演活動を精力的に行っていると本の裏表紙に書いてある。
日本はアメリカの属国であるとする属国論を展開。
wikiによると、
「日本の一般民衆は、自分ですら自分が何を考えているかわからない無意識の状態になっており、その結果、日本では、政治家が育たず、国家戦略なき国家となり下がり、意識的・無意識的に、イギリス、アメリカ等その時代時代の覇権国のコントロールを受けているとする」
かつて出版した英語関連の本や、トンデモ賞ベストオブベストを受賞した『人類の月面着陸は無かったろう論』
が主に槍玉に挙げられて批判されている。
本書でも属国論が展開される。
アメリカが意図的に事件を起こして中国と日本を戦争させようとしている。
日中戦争もアメリカに操られて日本が行ったものだ。
尖閣諸島沖の中国漁船の拿捕劇もアメリカに先導されて日本側が意図的に行ったものだ。
本書の論旨は一貫していて、要はアメリカは近い将来必ず没落して、中国が世界帝国になるという。
だから日本はアメリカに迎合し手先として良いように使われるのではなく、
知恵を使って全力でアジアの近隣諸国と戦争を回避し、
経済的な結びつきを強めていかなければならない、と言っている。
世の中評論家という人種の人はたくさんいる。
本やらなにやらで自分の意見を言いたい放題主張し、
それが外れようが外れまいが責任はとらない。
(やりすぎて裁判に訴えられると罰金を払うこともあるが、)
基本的なスタンスとして、批評家の意見は話半分に聞いて、
その中で自分なりの意見を持つべきで、
一人の人の意見を盲目的に鵜呑みにしてはいけない。
大抵が、間違っているところもあるし当たっていることもある。
ただ、事実根拠が良く分からないことは信用しないほうが良い。
問題なのは政治、経済の世界はともすればわからないことだらけだ。
何がどこまで本当で、どこまでがねつ造なのかの判断がつきにくい。
政府が提供する統計資料などの一次情報すら間違っていることがあるし、
様々な前提条件のもとに作られており単純な比較もできない。
そして、これが決定的なんだろうけど、結局、そういった情報を見るのは大抵の人が面倒くさい。
だから、いろんな言論が蔓延る余地ができる。
これだけ情報が透明化されつつある世の中ですら、まだ依然として国家間の思惑により、
様々なデータ、情報が捻じ曲げられて伝えられている。
世界の金融市場を牛耳っているのは未だにアメリカという大国だ。
だけど、僕も副島氏が言うように、そう遠くない未来でその地位は揺らいでいくのではないかと思う。
圧倒的な人的資源、天然資源を要する中国が台頭して、二大強国となり、
いずれは世界帝国になる世界が来ると思う。
中国はそれくらい圧倒的だし、強力だし、優秀だ。
そしてそれに脅威をもち、抑え込もうと躍起になっているアメリカという像もある意味では真実だと思う。
でも結局、世の中は持ちつ持たれつ。
いろんな国が経済をはじめ様々な分野で強く結びつきすぎている。
どちらかが勝つか負けるかの争いをしても結局大した利益は得られない。
それよりも協力し合って共存共栄していければベストだ。
というかそれしかみんなが平和で幸せに生きていく方法はない。
中国の平均月収は
1980年:10元
1990年:100元(10倍)
2010年:1000元(10倍)
と増加し、
2015年には10000元になると副島氏は予言(???)した。
ここまで極端に世の中は変わっていない。
ただ、この傾向が真実なのは間違いない。
インフレ率や外国為替との関係を考慮せずに単純に元で富が10倍になったとか言うとバカにされるけど、
副島氏が良いたいのはどれだけ中国人の経済力が拡大し、世界の中で存在感を増しているかということで、
短期間での急激な変化は驚きに値するということ。
これから中国が成長を続けていくには政治問題、過剰投資、高齢化、格差問題など様々な問題はあるけど、
どのように世界的地位を確立していくかを見るのは楽しみだ。
きっと数十年後には世の中は全く違って見えていて、それが常識になっているだろう。
中国語の勉強やらなきゃね。
しかし、一個だけ納得がいかないことがある。
この本の始めの方に副島氏は、元で定期預金を買ったと自慢げに写真を載せている。
日本で元で定期預金を作っても年0.45%の利子しかつかないのにだ。
これはいずれ1元=30円になるという予言に基づくらしい。
しかし、中国では政策金利が5%くらいあるし、インフレ率も3~5%くらいある。
つまりそのスピードでどんどん元の価値は下がっていく運命にあるわけで、
15年後までに1元=30円に到達してくれないと損になる。
本が出てから3年くらいたって1元=17円くらいにまでなった。大体1年で1円くらい元高になっている。
このペースだと残り13年でようやく1元=30円だ。
15年塩漬けしてプラマイゼロでいいのだろうか。
興味は尽きない。

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