永遠の旅行者 橘玲

タイトルに惹かれて買った。

パーペチュアルトラベラーまたはパーマネントトラベラー。

そういう人たちが世の中にはいる。らしい。
僕はあったことがない。住む世界が違う。
でも香港には似たような人たちがいる。
なぜなら香港に住んでいるとパーペチュアルトラベラーの条件の大部分を満たすことができるから。
まあ、香港に住んでいる時点で、パーペチュアルトラベラーではなくなってしまうのだが、、。

パーペチュアルトラベラーはできるだけ税金を逃れて生きている人たちのことだ。
どこの居住者にもならず各地を転々とすることで、税金を収めずに生きていくのだ。
しかし、一箇所にとどまらずに生きていくのって結構たいへんである。
帰るところがないっていうのもきつい。
正確には帰りたくても年内には帰れなくなる、というべきか。長く滞在しすぎると居住者になってしまうからだ。

こうした生き方にも理論の提唱者なるものがいる。
W・G・ヒル博士なる人で、5フラッグ理論というのを紹介した。
5つの国をもて、という理論だ。
その5つとは。

1.国籍(市民権)のある国
2.住所のある国
3.ビジネスを行う国
4.資産運用を行う国
5.余暇を過ごす国

である。
最近は「寄付を行う国」を加えて6つという説もあるらしい。

それぞれできるだけ無税のところを選びましょう、という理論である。

どこにも家がないパーペチュアル・トラベラーの生き方はなんとなく魅力的に映る。本当の旅人という感じ。
でも、実際は税金から逃げているだけだとするとちょっとかっこ悪いね。
あまり偉そうに人に言える立場じゃない。
だから隠遁してるお金持ちならいいけど、現役バリバリのビジネスマンはあまり目指すべきタイトルではないと思う。

ところでこの本はそんなパーマネントトラベラーが主人公で、
ストーリーのメインテーマは「いかにして相続税を払わずに孫に相続させるか」である。

結構ボリュームのある本。
パーマネントトラベラーがなんたるか、その生活がどんなものかは最初の少しで終わり。
あとは、よくわからない、ありきたりなストーリーと、典型的なバイアスのかかった、
無駄にごちゃさせた推理小説のようなものを読まされるだけ。

まあ、息抜きにはなったかな。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク