年収300万円時代を生き抜く経済学 森永卓郎 ③

モリタクの年収300万円なんちゃらの、三つ目でありタイトルになっているテーマ。
年収300万円でどうやって楽しくいきていくか。
このテーマについて本書の内容を追いながら考えてみたい。
タイトルにしているくせにモリタクはこの部分についてたくさん書いていない。
そもそも、モリタクはこの部分は、購入者の興味を引くためであって、
あんまり真剣に考えていないのかもしれない。
なぜならモリタク自身が勝ち組の方の人だから、そりゃ当然だ。
金は定期預金しろとか、副業をしろとか、生きがいみつけろとか、田舎に住めとか、明るく生きろとか
そんな程度のことしか書いてない。
だけど、納得させられる部分もある。
モリタクは一人当たり名目GNI(国民総所得)をデータで示している。
OECDによると2000年一人当たりGNIベスト20位は以下のようになるそうだ。
ルクセンブルク 約39,000ドル
日本 約38,000ドル
アメリカ 約36,000ドル
ノルウェー 約35,000ドル
デンマーク  約30,000ドル
アイスランド 約30,000ドル
スウェーデン 約25,000ドル
イギリス 約24,000ドル
オランダ 約24,000ドル
フィンランド 約23,000ドル
オーストリア 約23,000ドル
ベルギー 約23,000ドル
ドイツ 約23,000ドル
カナダ 約22,000ドル
フランス 約22,000ドル
アイルランド 約22,000ドル
オーストラリア 約20,000ドル
イタリア 約18,000ドル
スペイン 約14,000ドル
ギリシャ 約11,000ドル
日本はフランスの1.8倍、イタリアの2.0倍、スペインの2.7倍だそうだ。
世界に冠たる高額所得者なのだそうだ。
そして年収300万円、400万円がグローバルスタンダードであるといっている。
また一人あたりGDP(GNIとほとんど同じ)が1000ドルを超えると飢餓から脱出できるとのこと。
年収300万円とか400万円といったら、日本人男子は結婚できないと青くなる年収だし、
女性の男性に対する希望年収は500万円超らしいから、
とてもじゃないけど、そんな年収では家庭を作ることはできないと日本では一般的に思われている。
むしろ、600万円とか700万円とかもらっていても日本は不景気だ不景気だと騒いでいる。
これって異常ではないかと僕も思う。
こんだけの金を国を挙げて稼いでいて、財政赤字とかどういうことなんだろうか。
世界的にみて日本人はめちゃめちゃ金持ちなのは明確で、
それ以上の年収を望んでいったい何がほしいのだろう。
不景気だと僕らが思っている現状は全然不景気なんかではなかったのだ。
日本人は期待しているレベルが、自分の能力に比べて高すぎるといえるかもしれない。
未だに国民総中流の考えから抜け出せずにいる。
みんながみんなお金持ちになりたい、今よりもっといい物、いい食べ物、いいサービスを買いたいと思っている。
金持ちのモリタクが言うのは癪だけど、
モリタクが言っていることは僕はまったくそのとおりだと思う。
年収300万、400万でいいじゃん。楽しく生きれれば。
大きくて解像度の高いテレビが必要だろうか。別に安くて映りが悪くてもかまわない。
馬力が強くて、カッコいい高級車が必要だろうか。車なんて軽でも走って目的地までいければ凹んでてもかまわない。
高級時計を腕につける必要があるだろか。時計なんて時間がわかれば何だっていい。
ブランド物の服を身に着ける必要があるだろうか。暖かければユニクロの服でかまわない。
高級な寿司を食べる必要があるだろうか。100円回転寿司のほうが安くて早くてずっといい。
海外旅行でいいホテルに泊まる必要があるだろうか。LCCでボロ宿にゆっくりしてるほうがずっと幸せだ。
家を買う必要があるだろうか。ローンで自由を失うくらいならフットワークの軽い賃貸のほうがずっと気が楽だ。
高級エステにいく必要があるだろうか。香港のサウナでマッサージしてダラダラするほうがずっと幸せだ。
こころの底からそう思っている。
そして同じように考える同世代の人はたくさんいるだろうし。
もっと若い世代はこういうことを考える人がもっと多いだろう。
どうして、前時代的な消費文化を引きずっているご老人のために税金を払わなきゃならんのだとも思う。
こんな考えの人が増えたら、日本の経済力は弱まって、貯金も少なくなっていくだろう。
GDPも減ってしまうかもしれない。
でもいいじゃん、それで。
好きなことして生きてけば。
死ぬほどのことにはならないだろう。
これからは、消費で生きていく社会ではなくなる。
人とのつながりとか、豊かな経験とか、そういう物質で置き換えられないものが大切な時代になる。
そういう話はいたるところで聞く。
有名な学者も言っている。
こういう話の中で、ワークシフトは是非みんなに読んでほしい。
これからの時代がどう変わっていくのか、そこで求められるスキルとか、
生きていくうえで大切なものは何かをたくさんの研究をまとめて書いた良書だ。



僕も自分の価値観に従って、楽しく人生を生きていきたい。
その結果が、負け組みに属することになろうとも、勝ち組になろうとも、
僕にとってはどうでもいいことだ。
なぜなら、年収300万円でも幸せに生きていける確信が僕にはあるからだ。
なんなら200万円くらいでもいい。100万円はきついけど。。。
一番の愚は、600万円とか700万円とか、さらに言えば1000万、2000万のちっぽけなお金にしがみついて、
いやいやながらせっせと働いて、大切な時間と人生を浪費して年をとってしまうことだと思う。
そして最後には後悔以外何も残らない。
そういう人生にだけにはしたくない。


                     これは新版


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