Funny Girl  Nick Hornby

1960年代。
Barbara Parkerは田舎町BlackpoolのMiss Blackpoolになりかけたが、
直前で断り、夢追いかけてロンドンに出た。
Barbaraの夢は、人を笑わせることだった。
始めはルームシェアをしながら、ショッピングセンターの売り子をして生計を立てる貧乏人のBarbaraだったけど、
運よくとあるオーディションでテレビDirectorのDennis、脚本家のBill、Tonyと出会いチャンスをつかむ。
相手イケメン俳優のCliveも加わって世に送り出されたBarbara (and Jim)は
一気に国民的人気のホームドラマとなる。
そんなセレブになったBarbaraが、
今、どんなに幸せかとか、これからもこの幸せがずっと続いていったらいいのにとか、思うお話し。
それに文句ばっか言って女子のお尻を追いかけないと気が済まないCliveとの恋沙汰とか、
Billがゲイであることを打ち明けて、自分で本を出版し、仲間内から離れていくエピソードとか、
Tonyも子供が作れずいるのに、同じような悩みを取りあげたドラマを作ることになって悩んだりとか、
真面目なサラリーマンのDennisがBarbaraを好きになっちゃって、最後には結婚したりとか、
周りの登場人物たちのエピソードが物語に色を添える。
背景には1960年代。
古く閉塞的な世界から、自由な表現が許される世界へとイギリスが変わり始めたころの、
人々の戸惑いとか興奮とかを面白おかしく描くことが本書の肝になっている。
本の筋書きとかは、別にあまり重要ではない。
この本の楽しむべきところは、ユーモラスな筆致であり、登場人物たちの会話であり、
それらを面白く思えなければこの本を読む価値は無いのだと思う。
この本に何らかの意味付けをするとしたら、最後の一章に集約されていると感じた。
そこでは、Barbara達が急に70代になる。
年老いて、記憶もおぼつかなく、顔にはしわが刻まれて、あと何年生きられるか、数え始めている。
かつてスターだった人たちも年を取って、人から忘れられていく。
月日が経つことの残酷さ、惨めさ。無慈悲さ。
新しい世代が世の中を回している。
取り残される旧世代の人たち。
彼女たちの青春時代は、もう古い時代になっている。
1960代とは何だったのか。
華やかさに、ちょっとした愁いを添えて、この本はただのバカ話で終わらないように気を遣っている。
しかし、それはちょっとしたスパイスみたいなものにすぎない。
Nick Hornbyの作品は初めて読んだけど、これぞまさに暇つぶしにうってつけだと思った。
逆に言えば、暇つぶし以上の何物でもない。
そもそも小説とはそういうものだよね。
最近短期記憶が著しく劣化しつつある僕としては、
あまりストーリーとか気にせずに、飛び飛びで読み進んでも良いような本は、
気楽で、結果的にとても楽しめた。

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