ラッシュライフ 伊坂幸太郎

小説とは何か。何のためにつくられて、何のために存在しているのか。
あたりまえ、娯楽のためだ。
出版社は娯楽を売って儲けるために小説をつくっている。
買う人は、娯楽を楽しむために小説に金を払っている。
映画や、遊園地、ゲーム、音楽、旅行そうした数々の娯楽の中のひとつであり、それ以上でもそれ以下でもない。
これであってる?
では、小説家はなぜ大層な時間をかけて小説を書くのだろうか。
生活の糧を得るため?
なぜ小説でなければならない?
小説には特徴がある。それはほぼ一人の人によって作り出されるものだということ。
一人の人間が、好きなように、一つの作品を作れるというところ。
小説の基本は娯楽だろう
だけど、人間が書いているからこそ、その娯楽の中に、その人の思いや価値観、伝えたいことが潜んでいるのではないかと思う。
小説は売れれば何万人、何十万人の人が手に取ることになる。
それだけの人に自分が紡いだ物語を読ませることができる。
これはすごいことだ。
だけどそんな作者の思いやなんかを真面目に読み取ろうとすることが、小説の正しい読み方ではないよね。
ただただ、小説は楽しんで読めばいいんだよね。
つまんなかったら読むのもやめちゃえばいいし、
面白かったら最後まで読めばいい。
そうして、手にとって、読んでもらって、楽しんでもらって、それで最後に少しでもその人の心に何かが残ってくれれば。
そういう気持ちで小説家は小説を書いているんじゃないかな。
まあアラサーにもなってくると小説も読まなくなるわけですよ。
そして久々に読んでみたら、小説ってどうやって楽しむんだっけってふと疑問に思っちゃったりするわけ。
それを考えている時点で何かが間違ってるわけ。
伊坂幸太郎は、どういう気持ちで、何を伝えたくて「ラッシュライフ」なんて小説を書いたんだろう。
とかそういうのどうでもいいんだろうね。
でも考えちゃう。だってこれ書くのそんなに簡単じゃないでしょう。
きっと数ヶ月とか1年とかかけて書いているはずなんだ。
伊坂幸太郎は最近人気の小説家のひとり。
代表作は「重力ピエロ」、「ゴールデンスランバー」
東北大学出身、元システムエンジニアの42歳。
作品は結構な割合で映画化されている。
ラッシュライフは2002年、デビュー初期に書かれた作品だ。
物語の構成力やシナリオ構築力を見せ付けるために書かれたような作品。
5人の主人公?の数日の行動が、それぞれに影響しあい、一つの物語を作り上げる群像劇。
あれと、あれがこういう風に関わって、ここで登場したこの人が実はこういう背景をもっていて、
宝くじの当たり券がこういう風に一人ひとりの手から転がって移っていって、、、
最後はそれが全て明らかになる。
そして、よくできた物語だ!と感嘆する。
のが正しい楽しみ方なんですかねぇ。
こういう風に小説って複雑にならなきゃいけないの?
と疑問に思わざるを得ない。
複雑に絡み合うことが正しいことでもあるかのようなストーリーは世の中に結構蔓延している。
そして、少々無理がしてんじゃない?っていうところまで頑張ってる感がでてるのがこの小説の面白さなのかもしれない。そこまでこじつけちゃいますかー的な冷めた目で見てニヤリとするのがこの小説の醍醐味なのかもね。
こういうのって、登場人物相関図とか時系列表とか作って書きだしてみたら、
(実際作者はそういうものを作って小説を書いているんだろうけど)
一気に味気ないものになっちゃうんだろうね。
何より、伊坂幸太郎は日本で現在人気の小説家なのである。
そしてこの映画も例に漏れず映画化されている。

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