ジム・コリンズという人はピーター・ドラッカーの教え子らしい。
ビジョナリーカンパニー Built Tol Last
ビジョナリーカンパニー ② Good TO GREAT
という本を書いていてベストセラーになっている。
ビジョナリーカンパニー ④ Great By Choice
も出ていて、今は4冊ある。
この本で彼が書いたのは、偉大な企業がどうして凡庸な企業に落ち込むか、または消滅するかということ。
彼の理屈だとそこには5段階ある。
第一段階:成功から生まれる傲慢
第二段階:規律なき拡大路線
第三段階:リスクと問題の否認
第四段階:一発逆転策の追及
第五段階:屈服と凡庸な企業への転落か消滅
破滅を逃れる方法としてジム・コリンズが言うことは一つ。
「堅実な経営規律にいますぐ戻ること」
逆に偉大な企業へ飛躍するための法則として、
四つの段階から説明している。
第一段階 規律ある人材
・第五水準(ジムの造語)のリーダーシップ 野心家だかその野心を組織と活動に向けている
・最初に人を選び、その後に目標を選ぶ
第二段階 規律ある考え
・厳しい現実を直視する―ストックデールの逆説
・針鼠の概念(単純で一貫した概念)
三つの円の重なる部分に注力する
1.世界一になれる部分、2.情熱をもって取り組めるもの、3.最高の経済的原動力
第三段階 規律ある行動
・規律の文化
・弾み車 ビジネスの拡大は巨大で重い弾み車をひとつの方向に押し続け勢いを増していく行為
第四段階 偉大さが永続する組織をつくる
・時を告げるのではなく、時計をつくる 一人の偉大な指導者に頼らない仕組みづくり
・基本理念を維持し、進歩を促す
基本的価値観(組織の不変の主義)と戦略や慣行(世界の変化に適応し変えるもの)をはっきりと区別する
結局、どんな大きな組織であっても、それは人の集まりに過ぎないのだということを本書から読み取れる。
まずは、人。
そこに所属する人がどういった規律を持って、どういった倫理観、職業観をもって仕事に打ち込むか。
大企業に所属していると、自分は歯車の一つであって、何かを大きく変える力は無いと消沈することがあるかもしれない。
経営のトップに君臨している人ですら、同じ感情を抱くことがある。
でも、人の集まりが企業であり、一人一人の行動が企業の業績を形作っている。
トップとしてやるべきことは、どう規律を作り、企業文化を作り、正しい方向に大きな車を走らせていくか。
こんな単純なことがどうしてできないのか、と思える。
でも、実際にその大きな車の運転席に乗ってみると、その車のあまりの大きさと、
霧がかかって視界の見えない道に戸惑い、
人は後になって正しいとは言えない選択をしてしまう。
堅実な経営規律。
真面目で堅苦しく、つまらない言葉。
10代の若者なんか大嫌いな言葉だろう。
もっとドラマチックで、ワクワクハラハラする映画みたいなシナリオはないものか。
多分、ない。
きっと人生でも企業でも、成功の原則に映画の世界なんてなく、
着実に、地道に一歩一歩積み上げていった先にしか、偉大な成果はないんだろう。
ビジョナリー・カンパニー(3) [ ジェームズ・C.コリンズ ] |