本書はハロルド・ジェニーン氏がマネジャーとしての心得を、自身の経験を交えながら書いたもの。
ハロルド・シドニー・ジェニーン(1910〜1997)
英国ボーンマス生まれ。ニューヨーク証券取引所のボーイから、図書の訪問販売、新聞の広告営業、会計事務などを経て
ジョーンズ・アンド・ラフリン社、レイシオン社で企業の経営に参加参画。
1959年ITTの社長兼最高経営責任者に就任。
アメリカ企業史上空前の記録、14年半連続増益(14年半っていうのが細かいね)という金字塔を打ち立てた。
17年間の就任中に買収・合併・吸収した会社はエイビス・レンタカー、シェラトン・ホテル、ハートフォード保険会社をはじめ80過酷に所在する350社に及ぶ。
ジェニーン引退後、グループは解体した。
僕も経営者の端くれを目指しているから、本書は非常に興味深く読んだ。
なぜか、柳井正さんが「これが私の最高の教科書だ」とか言って最初と最後に解説を書いている。
この人はなぜ解説を書くんだろう。
この本で学んだこと。
事実。数字。そして目標。
必ず達成するコミットメントと試行錯誤。
そのための圧倒的情熱。
大企業に起業家なし。
大企業は買収すべし。
第一章:経営に関するセオリーG
ビジネスはもちろん、他のどんなものでも、セオリーなんかで経営できるものではない。
ビジネスは科学ではない。
第二章:経営の秘訣
本を読む時は、初めから終わりへと読む。
ビジネスの経営はそれとは逆だ。
終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ。
第三章:経験と金銭的報酬
報酬は常に二通り
金銭と経験
まず経験を取れ。
第四章:二つの組織
どの会社にも二つの組織がある。
そのひとつは組織図に書き表すことができる公式のもの。
そしてもうひとつは、その会社に所属する男女の、日常の、血の通った関係である。
ようは実際にどんな親密で率直な関係を築けているかが重要
第五章:経営者の条件
経営者は経営しなくてはならぬ!経営者は経営しなくてはならぬ!
”しなくてはならぬ”とは”やり遂げ”なくてはならぬということだ。
高い目標設定と、それを是が非でも達成する試行錯誤。
第六章:リーダーシップ
リーダーシップは、各自がみずから学ぶものだ。重要なのは情熱、情緒。
第七章:エグゼクティブの机
忙しい人の机は汚い
第八章:最悪の病 エゴチスム
エゴによる損失は計り知れない。けど、測れないから難しい。
第九章:数字が意味するもの
数字が強いる苦行は自由への過程である。
数字自体は何をなすべきかを教えてはくれない。
企業の経営において肝要なのは、数字の背後で起こっていることを突き止めること。
第十章:買収と成長
コングロマリットについて。
コングロマリットの重要な点は、資金力と親会社本体経営陣の経営力、この二つに尽きるとおもう。
そのどちらも求められていないのであれば、コングロマリットが買収しても意味はないと思う。
第十一章:企業家精神
企業家精神(起業家精神)は大きな公開会社の哲学とは相反するものだ。
大企業を経営する人々のおおかたは、何よりもまず、過ちを犯さないように心がける。
というかお金を預かっている以上、大きく損したり、失敗することは許されない。
起業家は最後には会社を去る。
大企業が、意味のある規模で、意義のある時間軸で成長するにはやっぱり買収しか無い。
第十二章:取締役会
取締役会は独立して、会社のマネージャーを評価できないといけない。
第十三章:気になること
マネジメントに重要なのは情緒。完全なる事実に基づく判断。
第十四章:やろう!
評価されるのは実績だけ
プロフェッショナルマネジャー58四半期連続増益の男【電子書籍】[ ハロルド・ジェニーン ]
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