この本では一生懸命勉強して資格を取っても、、稼げなくなっているという事例が、
資格を持っている人にとってはうんざりするほどツラツラ紹介されている。
資格を取ろうとして途中で挫折した人、諦めた人にとってはメシウマな内容。
弁護士も、会計士も、税理士も、社会保険労務士もみんな同じ。
どうして儲からないのか。
それは単純で需要と供給のバランスがあってないから。
何故か国は弁護士やら会計士やら、士業になるハードルを下げたおかげで、資格保持者が近年ものすごい増えたらしい。
その一方で需要は増えなかったことが問題。
そもそも資格ってどうして生まれたのか。
既得権益の温床にしか見えないが、理由があってできたはずだ。
それはある種の業務は世の中には必ず必要であること、
そうした業務はある高度で偏ったの専門性を要求するものであること。
要は身につけるのに時間がかかるが潰しが効かないものであること。
従って、そうして費やされた時間に報いるために、既得権益を設ける必要があるのだ。
でないと誰も資格をとってそのような職業に就こうなどと考えなくなってしまう。
もちろん、ある種のサービス水準を担保するために要件を設けているというのも一つの理由ではある。
もっともこれは、資格勉強が実務にほとんど役立たないことを考えると、必要のない障壁であるように思える。
どう考えても何千時間も費やさなければ手に入れられない資格などこの世には必要無い。
その昔、情報は共有されるものではなかった。
人の能力を図るすべは、口コミ情報が無ければ、見えやすい資格のようなものに頼るしかなかった。
今は違う。情報はタダだ。インターネット情報にゴマンと転がっている。
人の能力は資格ではなく、レビューで決められる。
このような世界ではもう資格なんていうよくわからない障壁は必要無い。
実務を公平に評価するレビューのほうがずっと信頼性が高い。
一生懸命知識を頭に詰め込むのも馬鹿らしい。
ネットで検索すれば手に入る情報を頭に入れ込むことになんの価値があるのか。
資格では稼げない。
もちろん稼げるわけがない。
そんな人が用意したレールの上で、頭を使わずに努力すれば手に入るものなどに価値があるはずがない。
時代は変わる。
それに応じて、ニーズも変わる。
求められるサービスも変わる。
人も変わらなければならない。
資格なんかで楽に稼げていた時代のほうがよっぽど異常だったのだ。
自分で自分をなんと呼ぶか。
自分で自分をどう作り上げていくか。
どう価値を出していくか。
他人に自分が何と評価されるか。
今の時代、資格は自分で作るもの。
一応、資格取得者の生き残り方も本書では指南されている。
資格取得者の心得
1.サラリーマン根性を捨てる。ようは自分で稼げ
2.資格にこだわりすぎず、まずは就職を。実務経験は貴重
3.サラリーマンになったらサラリーマンになりきる。資格で偉そうにしちゃダメ
4.人が行かない「空白地帯」を目指す。需給バランスをみろ。←唯一ためになりそうなアドバイス
5.できない仕事も引き受ける。仕事を選り好みするな。トライもせずに断るな
6.顧客の話し相手になる。ニーズを知れ
7.先輩を頼る。会費払ってるなら有効活用しろ
資格を取ると貧乏になります (新潮新書) [ 佐藤留美 ]
|