新HSK突破 3級~5級受験者のための中国語文法の要点と解説 王慧琴

資格に意味はあるか

資格なんて意味がない。そういう人はわりといる。
独占業務の与えられていない資格をとっても仕方がない、という意見がある。
おっしゃるとおり、そういう到達度を示すだけの資格自体に価値はあまりないだろう。

一方で、「資格取るとか自己研鑽しろよ」という意見も結構ある。
この言葉にはとても違和感を感じる。どうして、自分を高める=資格になるのか。
今の世の中、人が用意したルールの中で得られるものには大抵価値はあんまり無い。

でも、僕は資格の勉強が割りと好きだ。
別に資格自体はどうでも良いのである。
資格を取るという明確な目標が好きなのだ。

中国語を勉強するという世界は雲をつかむような世界。
言語力っていうのはアラサーという年齢もあいまって、非常に遅々としか進歩しない。
普段の生活では一生懸命勉強していても上達を感じられない。
もちろん、中国人とペラペラ話せるようになりたいという夢はある。
でも、そこまでの道のりが遠い。
何か目に見える到達度が欲しい。
やっぱり資格を目指してるとモチベーションが維持できるときが確かにあるのだ。
資格を取ろうと机に向かった時間それ自体が、資格の価値であると僕は考えている。

ということでHSKを目指した僕は本書を使って勉強した。

本書の紹介

2011年に出た本で、あまり売れてなかったんだろう、今はもう中古でしか手に入らない本。
著者は王慧琴(おう けいきん)
中国大連生まれで、東京学芸大学で大学院に在籍し、大東文化大学で博士課程を経る。
そして、慶應義塾大学とか、和洋女子大学などで中国語の講師を務めたらしい。

ようは大学教授が作った学生に売りつけるため良くある教科書本が本書である。

僕は、あまり中国語の学習が進んでいないときにこの本を手にとってしまった。
そして、速攻で挫折した。初心者が手を出してはいけない本。
その理由、
1.説明があまり丁寧ではない
2.ピンインがあまり無いのでほとんど読めない
3.一定の知識がある上で読むことが前提なので、内容についていけない
4.言葉が概念的で頭に入ってこない

致命的なのは、学術的すぎて、すんなり頭に入ってきてくれないことだ。
言葉を言葉で難しく説明してんじゃねえよ、と言いたくなる。
意訳してもらわないと学習者には理解できないと思う。

例えば、
複文については以下の種類が挙げられている。
1.因果複文
2.推断因果複文
3.仮定複文
4.条件複文
5.目的複文
6.逆説複文
7.譲歩複文
8.取捨複文

で、それぞれ結局どういう意味なんだよ。というのは、自分で調べる必要がある。

「要」という言葉には以下の意味がある。
・あることが発生する可能性
・意思、願望
・必然的な傾向
・必要、義務
・習慣、傾向
・比較による推定
・禁止

、、、で、それぞれ結局日本語の喋り言葉でいうと何て言うのと同じなの?
必要なら、、、「でなければならない」
禁止なら、、、「してはならない」
と言ってもらったほうがずっとわかりやすい。

ようは言いたいのは中国語を、二字熟語で説明されても、まだほとんど中国語じゃん!ということなのです。

でも、この本は結構役に立った。最終的には。
この本は、
1.概数・時間
2.量詞
3.前置詞
4.副詞
5.助動詞
6.助詞
7.補語
8.比較文
9.複文
の9項目について代表的な言い回しが、列挙されている。
したがって、全てが頭に入ったあとだと効果的な復習本になる。

そして、各章末には練習問題もある。
これがHSKの文章問題と形式が似ているので、実践練習となった。

読解と記述パートに主に力を発揮する本。
ただ、リスニングパートは取扱外なので、別の本で学習する必要がある。

なんとも癖のある本で、とっつきにくいけど、
最終的には結構、気に入って使っているのです。

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