この本でまず知ることは、あのマクドナルドですら小さなところから始まったビジネスだということ。
レイ・A・クロックは1902年、アメリカ・イリノイ州オークパーク生まれ。
高校中退後、ペーパーカップのセールスマン、ピアノマン、マルチミキサーのセールスマンとして働いた。
1954年、クロックが52歳のとき、マクドナルド兄弟と出会い、マクドナルドのフランチャイズ権を獲得、全米展開に成功した。
2007年現在、マクドナルドは世界119カ国に約30000店を展開している。
後年にレイ・クロック財団を設立。
さらにメジャーリーグのサンディエゴ・パドレス獲得など精力的に活動を行った。
1984年没
自伝自体は生前に書かれたもので、その頃でもマクドナルドはすでに大成功していたけれど店舗数はまだ4000店舗程度だった。
2007年に柳井正と孫正義の解説付きで出版されたのが本書。
アメリカン・ドリームそのもののストーリーだけど、そのサクセスストーリーが52歳から始まったというのが面白い。
いつだって人は夢に挑戦できる。それがアメリカン・ドリーム。
少し前に、The Founderというレイ・クロックの半生を描いた映画が公開されたから、
そこからこの人に興味を持った方も多いかもしれない。
一企業が成功するまでには数え切れないほどの人が関わっている。
その人達をできるだけ登場させて讃えたいという気持ち溢れんばかりに色んな登場人物が本書には出てくる。
名前を聞いてももちろん読者にはピンと来ない。
そんな内輪向きの自伝であるけど、そこには人を惹き付けるものが確かにある。
世界一、億万長者を生んだ男。
レイ・クロックと共に事業を拡大させた仲間や社員たちも、
マクドナルドのフランチャイズ権を得て店を経営した人たちも、
サプライヤーとして一緒に成長した中小企業の人たちも、みんな億万長者になった。
その男と関わった人は、全員じゃないにしろ、きっとその多くが幸せで充実した人生を手に入れたことだろう。
周りの人たちを幸福にしてきた男の人生が、幸福で無いわけがない。
そんな人生を送れたらどれだけ素敵だろうか。
柳井さんはこの自伝からいろんなことを学んだらしい。
「事業の創り方」「市場の捉え方」法則7
1.成功者の発送法ー商売の真髄は be daring, be first, be different
2.失敗を乗り越える力ー原理原則を「知る」ことと「わかる」ことは違う
3.リーダーシップーお客様に配ったアンパンと牛乳への想い
4.成長する組織づくり、人材づくりーなぜ、高学歴社員だけではだめなのか
5.ヒットの創り方ー売れるブランド、売れる営業の相関関係
6.ライバルとどう戦うかーなぜレイ・クロックはゴミ箱を見るのか
7.大富豪の金銭感覚ーお金は儲けるより使うほうが難しい
成功してお金持ちになった人たちはみな、慈善活動に目が向き始める。
自分の人生で使えないほどのお金を手に入れて、心に余裕ができると、そのお金を人のために気前良く使えるようになる。
いや、むしろ、成功した人たちの多くは、心から人のために努力してきたからこそ、お金をたくさん手に得ることができて、
結果、人のため、人類のために自由に使えるまでに至ったと言ったほうが良いかもしれない。
そんなふうにお金を使えるようになれたら、これ以上幸せなことはない。
それこそが成功なら、一生を賭けて追いかける価値があると思う。
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